製錬技術
製鋼所または製錬所は、鉄鉱石から銑鉄および鋼を製造します。製鋼技術という言葉は、製鋼プロセスおよびその適用、そしてそこで使用される装置を意味します。これらの装置には、ボールベアリング式ロータリージョイントおよびころ式ロータリージョイントが使用されます。製鋼技術の様々な設備のほぼすべてのメーカーは、個別に開発・製造されたティッセン・クルップ ベアリングの製品を採用しています。
製鋼技術分野における当社のソリューション
圧延機は、鋼板や帯鋼の厚さを低減するために使用されます。ティッセン・クルップ ベアリング製のベアリングは、熱間圧延および冷間圧延プロセスにおける圧延機スタンドに使用されます。ここでは、ベアリングは特に過酷な条件にさらされます。極端な温度に加え、非常に高い圧延力がすべてのコンポーネントに作用します。そのため、この用途に使用されるベアリングには、発生する圧延力を吸収するための高い許容負荷が要求されます。当社は、お客様にとっての最大の安全性を確保し、同時に経済的に最適な仕様を実現するために、ディテールに細部の注意を払いつつ開発、設計そして製造を行います。
転炉は、銑鉄から鉄鋼製品を製造するために使用されます。数百トンもある容器の可動性を維持するため、転炉用ベアリングが使用されます。非常に低速の旋回動作と定期的な衝撃荷重の組み合わせによって、非常に高い静的負荷容量が求められます。当社の転炉用ベアリングは、低速回転において高い負荷に耐えるよう設計されており、永久変形のリスクを最小限に抑えます。
成型機においては、スチールが大型のローラーによって、例えばレール、スチール製部材に成形されます。成型機のベアリングシートには非常に大きな力がかかります。発生する負荷をより分散するために、この応用分野においては多くの場合、複列タイプのベアリングが使用されます。成形において使用される旋回ベアリングの最も代表的なタイプは、当社の円筒ころベアリングと円すいころベアリングです。
取鍋タレットとスイベルステーションは連続的に使用され、その積載位置で回転します。ここで、ティッセン・クルップ ベアリングのころ式ロータリージョイントが使用できます。これは、鋳造プラントの連続稼動を保証するとともに、高い負荷に耐えます。これにより、数十年にわたる使用が可能です。
古い鉄スクラップを新しい製品に使用できるようにするためには、まず、電気アーク炉内での溶融が行われます。このプロセスにおいては、旋回可能な炉の蓋は極めて重要な構成部品です。プロセスに影響を与えないためには、蓋は長期の使用に耐える必要があります。そして、使用される環境条件は非常に過酷です。ティッセン・クルップ ベアリングは、耐熱性および負荷容量に関して製錬技術における要件を的確に満たすベアリングを開発しています。
鉄鋼生産では鋳鉄に含まれる炭素は、酸素の適切な注入によって酸化されます。このプロセスにおいては酸素注入パイプ旋回装置が使用されます。ティッセン・クルップ ベアリングは、この用途専用の、極限の周囲温度にも耐える旋回ベアリングを開発しました。
スイベルジョイントは、配管における可動式の構成要素です。これらは、相対的に移動する2つの設備部品間の液体または気体の輸送のために使用されます。このジョイントの設計においては、特別な要件を考慮する必要があります。スイベルジョイントは、旋回動作と低速の回転動作を同時に360°の範囲で行える必要があります。
ここでは、ティッセン・クルップ ベアリングが開発した、圧力負荷だけでなく外部からの力にも耐えるベアリングが使用されてます。
高炉から溶鉄の排出を可能にするために、定期的に穿孔が行われます。このためには、下部の封止である、いわゆる出銑口が開かれます。出銑口開口機は、過酷な条件のもとでの正確な穿孔とその後の封止を行える必要があります。
この用途では世界中の主要メーカーがティッセン・クルップ ベアリングに信頼を寄せており、これらの要件を満たすよう特別に開発された当社の旋回ベアリングを採用しています。
連続鋳造設備は、圧延インゴットおよび押し出しビレットの製造に使用されます。使用される材料に応じて、製造時は非常に高温となります。そのため、操業を高い信頼性で維持するためには、当社のベアリングに高い耐熱性が求められます。連続鋳造設備においては、様ざまな箇所でベアリングが必要となるため、さらに重要な特性があります。取鍋用タレットにおけるロードおよびアンロードに使用される多列ローラーベアリングは、高い傾斜モーメントおよび衝撃荷重を吸収できる必要があります。ローラガイドの一部として使用されるベアリングは、同様に低速回転および高負荷向けに設計されている必要があります。