海洋用途

プロペラシャフトは、船舶のシャフトに使用され、エンジンとスクリューとの間ならびにプロペラと船体との間の推進力伝達を制御します。プロペラシャフトの支持には、2つの異なるベアリングタイプが使用されます。ラジアルベアリングおよびアキシャルベアリング。ラジアルベアリングは、メインベアリングとして機能し、アキシャルベアリングは衝撃や振動を吸収することでサポート機能を果たします。プロペラシャフトが可能な限り最高の性能を達成できるように、ティッセン・クルップ ベアリングは、両方のベアリングタイプを用いて高信頼性の全体設計を提供します。このようにして、駆動部からの出力がスクリューにそして最終的には「水に」伝わります。

ラダーシャフトは操舵システムの部品です。これは船の方向転換を担い、舵柄の制御動作をラダーブレードに伝達します。各ラダーシャフトには、メインラダーに2～3個のベアリング箇所があります。ここでは力は半径方向にのみは作用するため、ボールベアリングの他、円筒ころや自動調心ころベアリングも適しています。この用途向けの当社のベアリングは、顧客の詳細な要望や要件に基づき開発・製造されています。

アンカーウィンチの部品として、ティッセン・クルップ ベアリング製ベアリングは、毎日、重い船の錨の巻き上げ時に役立っています。その際、これらのベアリングには特別な要件が課せられます。アンカーウィンチは、連続的に使用されるわけではありません。そのため、多くの休止時間があり、取り付けられたベアリングは長時間にわたる停止状態で維持されます。さらに、適したベアリング構造とベアリングデザインの選択においては、低速回転での稼動においても大きな負荷が発生することを考慮する必要があります。

旋回式スクリューは、船のスクリューを水平の任意の方向に旋回できる船の推進装置です。従来のスクリューとラダーによる推進装置と比較した場合のメリットは、操舵性がはるかに優れている点です。旋回式スクリューの代表的な使用例としては、クルーズ船、フェリー、砕氷船やは動的は配置を必要とする掘削船です。旋回式スクリューの旋回を可能にするため、旋回ベアリングには、ギアが特に高精度で耐用期間の長いものが使用されます。さらにそれらには、要件に応じて海水に対する何重ものシーリングシステムが装備されています。

オフショアギャングウェイは、石油・ガス採掘および海洋風力発電設備において使用されます。これは、船とオフショア設備間の物資と人員の輸送に使用されます。海洋における極限に近い使用条件は、当社の旋回ベアリングの仕様と品質に高い要件を課します。

アンカーハンドリング船は、ドライブなしで石油掘削プラットフォーム、パイプ敷設船やその他の駆動装置を持たない海洋構造物を支援するための船です。牽引や錨の移動などの作業は、ウインチに厳しい要件を課します。ティッセン・クルップ ベアリングは、この用途のために、お客様それぞれの設計に適合された歯付き環または水平の回転軸を持つ旋回ベアリングを提供しています。

クレーン船は、海洋での使用に合わせて特別に設計されており、この特殊な要件を満たすように製造されています。これは、石油およびガス採掘、ならびに洋上風力発電設備の設置および保守において重要な役割を果たします。

この用途におけるベアリングは、詳細までお客様との協議を基に開発され、適用される分類組織の規定に基づき設計・製造されます。これにより最大の安全性と理想的な経済性を保証することができます。必要に応じて、このベアリングは特別に開発された検査システムによって、取り付けられた状態で監視することができます。

船に搭載された荷役機械としてのデッキクレーンは、貨物船の従来のデリックに取って代わりました。今日、このカテゴリーには、船荷の積み下ろしを行うすべての船上クレーンおよび昇降装置が含まれます。デッキクレーンは、迅速な荷捌きにおける重要なファクターです(特に目的地の港湾に十分な吊り上げ能力を持つクレーンがない場合)。最新の船上クレーンの吊り上げ能力は、要件に応じて5～1000トンとなっています。

ここでは、堅牢な旋回ベアリングが必要となります。当社の旋回ベアリングは、過酷な海洋の条件における船上クレーンの旋回性を保証します。その際、用途に応じた異なるソリューションが求められます。これは、不規則に大きな負荷を取り扱う場合もあれば、高い使用頻度において軽・中負荷の積荷を取り扱う場合もあるからです。

ティッセン・クルップ ベアリングは、あらゆる用途に対し、実績のあるソリューションを幅広く提供します。この用途におけるベアリングは、詳細までお客様との協議を基に開発され、適用される分類基準に基づき設計・製造されます。